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WABI SAVIE QUEBEC

2016 / 03
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頭を打って読む、色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

2016/03/06(Sun) 13:50
凍る道を歩くことは結構慣れている
が、その朝は思い切り滑った
そして頭を打った
かろうじて私の頭には髪を止めるバレットがあってそれはばらばらに壊れていた
そのバレットが私の頭を守ってくれたと思う
もしかしたらそれでもやはり強く頭を打っているかもしれない
脳震盪は起こさなかった
でも久々に転んだというショックだけが残った

あまりにその後普通に過ごしていて夕方あたりになって
「もしかしたら明日の朝はやってこないかもしれない」
そういう不安に駆られて
まだ旅から帰ってこない相棒に念のため遺書のような手紙を残し
義理の息子に「頭を打ったからできれば今夜はここで彼女と過ごしてくれるとありがたい」と書いたら
早速連絡が来て家に来てくれた
本当にありがたい

そして家で静かに過ごした方がいいと自分で判断し、酒も飲まず、ベッドに8時に入り
一冊の本を手にした
友人が貸してくれた私が読んでいなかった春樹の本

途中眠気に誘われたけれどもしかしたら明日の朝が来ないかもしれないという理由で
最後まで無理して一気に読んだ

で、こうして今朝もきちんと生きて起き上がることができたのだけれど・・・
死は思ったより近くにいるというこの感覚

私の一番ひっかかったワードは悪霊
悪霊から逃げたクロに自分を重ね合わせる
悪霊は多分そこらじゅうにいる
悪霊から逃げることはやっていいことだと思う、むしろ必然だ
がその後助かった自分に安心すると同時にそこを立ち去って残してきた人のことを思えば罪の意識を持つ
皆を助けることは多分無理だ
その人達も全力で逃げないといけないのだ
多分それは自然災害、津波、テロリストも一緒、悪霊なのだ
昨日の朝、私の足をすくったのも悪霊かもしれない(笑)

感受性が高いようで鈍感な主人公は
人に会うことで問題を解決していくことで自分の凍土を溶かしていく
ただ理系の彼がなぜ4人の友人から全否定された時点で論理的に解いていかなかったのかは
ちょっと疑問だけれど彼もまたショック状態で感情に鍵をかけることで乗り越えられたのかもれない

春樹さんの小説の主人公は大抵「僕」だったように思っていたけれど今回は「おれ」が時々出てきた
男性はいつから僕からおれになるんだろう
それは別の大人になる分岐点なのかそれとも昔の自分との決別なのか

フランス映画のように終わりは私達に託されている

最近の中では気に入った小説だった
時々読み直したい一冊

頭は痛くないが読書のせいか首が痛い・・・









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naokozo

Author:naokozo
インテリアデザイナー
モントリオール在住
釣りにきのこ狩りに大忙し

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