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WABI SAVIE QUEBEC

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様式

2013/05/08(Wed) 08:21
最後の同潤会アパートが解体されるという

そもそも関東大震災後の復興時に建てられた同潤会アパート
鉄筋コンクリート造の実験的最新建築であったに違いない
そして東京大空襲をも逃れてずっと東京にひっそりと佇んでいた建築

同潤会アパートといえば青山が有名だけれど
江東区住民だった私は清砂通アパートメントの前を通るたびに
ちょくちょく覗き込んでいた
人の住んでいる家を撮るのもなんとなく気が引けて写真は撮らずじまい
そこを同潤会アパートと初めて見たときは知らなかったけれど
見た瞬間にただものではないと感じたものだ
そこには思いきり生活の匂いがしていると同時に時が止まったように
番地の看板は見たこともないような漢字で書かれていた
それが読めなくて妙にくやしいのも印象的だった
建築というのは経験するので、その空間を実際に体験してみないと絶対にわからない

場所は違っていても同潤会アパートには一連の共通した何かがある
ちょっと張り出した窓にしても
階段のディテールにしても
共有部分の使われ方にしても
壁の感じにしても
ただ古いだけではない
こだわりがあることを感じさせるなにかがあった
そしてそこに一度は住んでみたいと思う絵になる建物だ
住んだ人はきっとそこで過ごしたことを誇りに思っているに違いない
日本で一般住宅がこれだけ長生きしたこと自体も特筆に価するはず

この同潤会アパートというのは人々に生活様式を提供しただけではなく
すでにひとつの「様式」として確立してるのではないかと思う

同じように潤う、同潤会、このネーミングがその存在の真髄をすべてを語っている






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コメント:
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この記事を読むまで長い間、同潤会アパートのことを
忘れていましたが、よく訪れていた青山のものを思い出したり、改めて写真を探してみると本当に趣きのある建物だと
つくづく感心しました。と、同時にこの建物を趣きがあると
思う自分にもちょっと驚いたり、、。
というのも、只今谷崎の”陰翳礼讃”を読み直しているところで
日本人の美的感覚の特異さに我ながら感心しています。
ドイツ語で発行された当初は文化人の間で衝撃が
走ったほどとも聞いています。
こういった長い間何気なくとも受け継がれてきた感覚
失いたくないですね。
by: aka * 2013/05/14 16:38 * URL [ 編集] | page top↑
--Re: タイトルなし--

”陰翳礼讃”、最高ですね。
私も数年に一度は読み返しています。坂口安吾の堕落論とセットで(ここが変)・・・

そうですね、「趣のある」ということばが同潤会アパートにぴったりです。
住んでいないのに昔の日本を詰め込んでいたみたいでなんだか懐かしい。
青山もすっかり変わってしまいましたが、それを受け入れるのもまた大切なことだと思っています。
年齢を重ねるほど、日本の美的感覚に響く自分に驚きますね~。

そういえばaka さんのブログにも出てきた大江健三郎さんの『M/Tと森のフシギの物語』
先日友人から頂いて読んだんですが、なんだか狐につままれたみたいな気分でもう一回読み直さないといけないって
感じです。大江健三郎さん、さすが只者ではありません。実に奥深いです。
これもまた日本独特の感覚の小説ですね。
by: naokozo * 2013/05/14 23:00 * URL [ 編集] | page top↑
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モントリオール在住
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